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コンコン…
「…どうぞ。」
キィ…
返答するように控えめにドアを開け部屋に入ると奥の机に一人の少女が腰かけている。
「…失礼致します。お茶をお持ちしました。」
「ありがとう。此処に置いて頂戴。」
手元の本から目を離さず、少女は答える。
「どうぞ。」
コト…
「ありがとう。」
読みかけの本に栞を挟み、お茶に手を伸ばす。
ズズ…
お茶を頂きながらふと窓の外へ視線を移すと、男性が一人此方へ向かって歩いているのが目に入った。
「…どうやら、お客様がいらしたようね。細(ささめ)、お見えになったら此処へお通しして。」
「かしこまりました。」
軽く会釈をし、細と呼ばれた青年は客人を迎える為少女のいる部屋をあとにした。
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