第1章 さいきょうのそうび

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ぐぬう。 つまり俺は一生、棺桶のままここにいなければいけないってことだ。 棺桶が死んだら棺桶に入るんだろうか。マトリョーシカみたいに。 「うう……リアル世界に未練はないが、まさかゲームの世界でもこんな最期かよ……」 「泣きゴト言ってんじゃないわよ、ホンット見苦しいわね」 ふっと少女の姿が消えた。 その直後、俺の体……棺桶が、少しずつ動き出す。 「おい、なんか動いてんぞ!?」 「トーゼン……でしょ、私が引っ張ってんだから……」 途切れ途切れに、頭の……いや、棺桶の上の方から少女の声が聞こえた。 「アンタが動けないなら……私が、行くしかない……じゃない」 「そんな……いいのか!?」 「別に、アンタの為じゃないわ……私はただ、元の世界に戻したい……だけ!」 「おお……ディ・モールト!ディ・モールト!!」 「うっさいデブ、薪にするわよ。どうしてこんなに重いわけ?」 ……かくして、棺桶になった俺と、ツインテ少女の旅がここに始まったのであった。
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