第1章 さいきょうのそうび

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「さあーて、ようやくここまで来たなァ」 ラスボスがいる「虚無の城」の最上階。 最高レベル、伝説の装備、仲間の数ゼロ。 リアルでもゲームの世界でもボッチを貫く俺の名前は三本木宗幸(さんぼんぎ・むねゆき)。縦でスパッと半分に割れる、超縁起の悪い名前だ。 ちなみに今の俺は、 【ステータス】 レベル 999 HP 9999 MP 9999 体力 999 精神力 999 素早さ 999 かしこさ 999 運 999 【装備】 伝説の剣 伝説の楯 伝説の兜 伝説の鎧 幸運の靴 今の俺は、まさに生きる伝説と言っても良いだろう。仲間がいない分、余計なイチャイチャイベントや、ライバルとの熱いバトルなんかをすっ飛ばして、さくさくとここまでやってきた。 ゲームをクリアしても、そこで終わりじゃない。そこから先は、ステータスにカウントストップ無しの2周目、3周目が待っている。そこでステータスの限界を極めてこそ、俺は真の伝説(レジェンド)となれるのだ。 「さあーて、ようやくここまで来たなァ」 2回同じ事を言ったような気もするが、多分気のせいだろう。そうじゃなければ射程距離内から「マンダム」のスタンド攻撃を受けているに違いない。 やたらでかい扉を開けて、玉座の間に入った。ド○クエ6で、ムドーの部屋に入る時みたいだ。 ちなみにド○クエの主人公には仲間がいたが、俺は孤高のボッチだ。ポジション的にはテリーだろう。テリーからイケメン要素と仲間のドラゴンを抜いて、天然パーマと中性脂肪、それから眼鏡を足したのが俺だ。つまり、テリーはほぼ俺。むしろ俺。まあ、それでも俺には美人の姉さんなんかいないけどな。
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