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ビービビッビービービービッ…………ビ…………
待ち構えていた俺の耳元に、突然変な効果音が。
「んお、なんだ……?」
『…………が……ましたェ……を……ゴッ……ウリウリウリウリ……』
頭の中を機械音声が響き渡る。
と、同時に目の前の玉座に砂嵐が走った。ブラウン管の古いテレビが壊れた時みたいな画像の乱れだ。
……待てよ。
バグか!?
まさかこんな大事な場面でバグるか普通!?
『ウリウリウリウリウリウリウリウリ……』
頭の中ではずっとウリウリウリウリ聞こえてくるし、いい加減腹が立ってきたぞ。
「ちっ、わーったよ、外せばいいんだろ外せば!」
俺は汗でベトついたヘッドギアに手を掛けた。
『ウリウリウリウリ……』
こうなったら出るとこ出てやる。普段はROM専の俺だが、「2ひゃんねる」に悪口書きまくってやるからなちくしょうウリウリ言いやがって、てめえは人間をやめたのか。
『リウリウリ…………げーむがりせっとされました。さいきどうをします』
……なんだって?
ヘッドギアを外そうとした手が止まった。突然明確に聞こえてきたその音声は確かにこう言った。
ゲームが、リセットされたと。
「はあ!?ふざけんなって……」
俺が悪態をつき始めた次の瞬間、画面内を真っ白な閃光が走った。
耳の中を何重もの音が重なる。
ポーーとか、
ぴーーとか。
なんつったっけな、この音。
モスキート音?だっけか。
……何てことを考えているうちに、いつの間にか、今度は目の前が真っ暗闇に包まれていた。
さっきまで耳障りなほど聞こえていた機械音は一切聞こえない。
完全なる沈黙。
完全なる闇の世界。
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