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「……まじかよ」
これはもしかして、初期化というやつなのか。だったらマズイぞ。ちくしょう、これに費やした時間を返せ。
とりあえず、ヘッドギアを外して電源を入れ直してみるしかない。
えっと、ギアは……
…………ん?
…………ない。
ないぞ。
つーか頭を触れない。
俺の手どこいった?
あれ、足もどこだ?
さっきから全然動けねえ。
「なんだよこれ、どーいう事だ?!」
すると俺の声に応えるように、真っ暗闇の中にコマンドが浮かび上がってきた。
ド○クエで言うところの、
電源を切りますか?
はい
いいえ
みたいなコマンドだ。
ただ、書いてある内容が微妙に違う。そこには、
『視界』をオンにしますか?
はい
いいえ
と、白い字で書いてあった。
つーことは、ここはまだゲームの中の世界らしいな。それにしたって、今までこんなコマンドなんて見たこと無かったんだが。
「はーいはい、最高に「はい」ってやつだァ!」
ぽちっとな。
カーソルは俺が喋ると、勝手に「はい」を選択した。
途端に、広々とした天井が見えてくる。
「…………知らない天井だ」
ま、これはお約束ってやつだな。
本気で知らない訳じゃない。つかここはさっきまで俺が戦っていた城の天井だ。
だとしたら、さっきのラスボス戦が終わった後で、俺はひとりで倒れて、ようやく目を覚ました設定なのか。
「うむ、まずは状況確認せんとな」
どういうわけか体は相変わらず動けんが、喋るだけでコマンド選択が可能だと分かった今、やることはひとつだ。
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