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まさか、さっきのイベントのボスなのか?
だとしたら、これが裏イベントの王女……?
考え始めた俺の視界の端に、いつの間にか新しいコマンドが表れていた。
白パンツに白文字。保護色で気がつかなかったが、よく見ると
『音声』オンにしますか?
はい
いいえ
と書いてあるらしい。
「お、もしかしてこれで喋れるのか?」
即座に『はい』を選択する。
「なあ、これで聞こえてるか?」
「ふぇっ?!」
俺が喋ると同時に、目の前のパンツが飛び上がった。
慌ててスカートを押さえるが。
遅いぞペッシ。
その時既に行動は終わっているんだッ!
「誰、どこにいるの!?」
キョロキョロと辺りを窺う視線は、ようやく俺に向けられた。
「まさか……“コレ”が喋ってるの?」
「コレとはなんだよ、失礼な」
「きゃッ!」
少女は俺の視界から外れた。
が、すぐまた俺の事を覗き込んでくる。
「……アンタ、なんなの?」
「なんなのとは何だよ、そっちが座ってきたんだろうが」
そうだ、俺は変態という名の紳士だからな。決してもっとやれとか思ってなかったぞ。
「それより俺を起こしてくれよ。さっきから体が動かねえんだよ」
「……体?何のこと?」
ツインテ少女は黒髪が当たるくらい近くで俺の顔を覗き込んだ。
「中には何も入ってないみたいだけど」
「は、中ァ?」
「だってそうでしょ、アンタ、ヒツギじゃない」
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