第1章 さいきょうのそうび

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まさか、さっきのイベントのボスなのか? だとしたら、これが裏イベントの王女……? 考え始めた俺の視界の端に、いつの間にか新しいコマンドが表れていた。 白パンツに白文字。保護色で気がつかなかったが、よく見ると 『音声』オンにしますか? はい いいえ と書いてあるらしい。 「お、もしかしてこれで喋れるのか?」 即座に『はい』を選択する。 「なあ、これで聞こえてるか?」 「ふぇっ?!」 俺が喋ると同時に、目の前のパンツが飛び上がった。 慌ててスカートを押さえるが。 遅いぞペッシ。 その時既に行動は終わっているんだッ! 「誰、どこにいるの!?」 キョロキョロと辺りを窺う視線は、ようやく俺に向けられた。 「まさか……“コレ”が喋ってるの?」 「コレとはなんだよ、失礼な」 「きゃッ!」 少女は俺の視界から外れた。 が、すぐまた俺の事を覗き込んでくる。 「……アンタ、なんなの?」 「なんなのとは何だよ、そっちが座ってきたんだろうが」 そうだ、俺は変態という名の紳士だからな。決してもっとやれとか思ってなかったぞ。 「それより俺を起こしてくれよ。さっきから体が動かねえんだよ」 「……体?何のこと?」 ツインテ少女は黒髪が当たるくらい近くで俺の顔を覗き込んだ。 「中には何も入ってないみたいだけど」 「は、中ァ?」 「だってそうでしょ、アンタ、ヒツギじゃない」
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