第2章 出動依頼に胸踊る

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「学校に行こうと思うの」 夫も娘もテルミの宣言に目を丸くした。 「ママが?」 「なんの?」 テルミはカルチャスクールで手に入れたパンフレットを二人に差し出した。 「ママが介護?」 「大変だよ。友だちから聞くけど……」 それはパンフレットをくれたスクールでも聞いた。 ただ、それは誰にでも起きる事で、誰もが避けられない事だと教えられた。 「兎に角、やってみたいの。ダメだったら辞めるから」 外で何もしたことがないテルミの変わりように、父と娘は軽い気持ちで「やってみたら?」と云ってくれた。 学校に通い始めたのは、その月の半ばで、やく二ヶ月ほどで資格が貰えるらしい。 何より家とスーパー以外に行く所が出来たことが嬉しかった。
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