第3章 生まれて来なければ良かったのに

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「私はどうしたらイイの?」 アオイにとって、そんなウサを晴らすのは、ゴマレンジャーのブルーとしてアーバンを制覇する事だった。 ゴマレンジャーは元々、同人誌作家が作った宇宙戦隊だ。 リーダーのレッド、他に、青と緑、黄色にピンクとある。 人間とは不思議なもので、この五色、憧れがみんな違うし、それぞれの人間には特徴があった。 「アオイ、ヨロです!」 最近、タッグを組む事が多いヒカルとアーバンの酒場で出会った。 「カッコイイ武器だね!」 ヒカルが背負っている大なたは、草原で手に入れられるアタックポイント高い武器だった。 「手に入れるの。マジ大変」 ヒカルからのコメントを確認し、アオイは確かにそうだろうと思った。 あの武器を手に入れるには、草原に現れる龍を倒さなければならない。 しかし龍が出ると噂の滝に行くには、草原の彼方にある森を彷徨わなければならなかった。 アオイも滝を探して森に分け入った事がある。 直ぐに方向感覚を失い、自分の居場所が分からなくなる。 運よく滝を見つけたとしても、龍が出るとは限らないし、龍を倒したとしてもまた草原に戻ってこられるとは限らなかった。 アオイも森から出られなくなり、何時間も歩き回ったあげくにリセットして半日近くをムダにしたことがある。 ヒカルは得意げに大なたを振り回した。 「イイよね!」 アオイの武器は町外れの道具屋で売っている剣だった。 小ぶりでアタックポイントは高くない。その分、的中率が良い。 ザコ相手には有効だった。
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