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ある日の放課後、鮫島ハヤトはいきつけの大型電器店を手当り次第に巡っていた。
「無いって……。一つも無いんですか？」
マイナーなゲームソフトだとは分かっている。
店員に迫り、早口で捲し立てた。
とはいえ、そんなハヤトも学校にいる時は自分の気配を消している。
何故って、その必要がないほど日常はいつだって平和でそれなりに回っているからだ。
「他にありそうな店、知りませんか？」
すがるように食い下がり、「どうかな？」と冷たく言い放つ店員を絶望の眼差しで見つめた。
ハヤトがこんなにも必死になるのは、宇宙戦隊アマレンジャーのアップグレード版を手に入れるためだ。
簡単に言えば、最大五人でチームを作り、出くわす敵と戦うネットゲームだ。
今回、新たに銀河系が増設された。そのアップグレード版の発売日なのだ。
「なんでダウンロード版じゃないんだよ！」
怒りは製造元のソフト制作会社に向けられた。
「ねぇ、キミ！」
「ハイ？」
「もしも、アマレンジャーのアップグレード版を探しているなら良い情報を知っているよ」
「ホントですか？」
見知らぬ男がハヤトに声を掛けてきた。
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