第1章

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帝都電力の会長が、家族を連れてお爺様の下へ、年始の挨拶に来ていた。 「お嬢様、お客様がお帰りになりました。 お嬢様が仰せられた通り、帝都電力の会長は嫌々ながらもお茶を飲み、料理に箸を2~3付けられましたが、御家族の方は、お茶どころか料理を一切召し上がりになりませんでした」 「やっぱり…………。 帝都電力の会長のように老い先短い者ならともかく、先の長い者程、この土地の物を口にしたいとは思わないわ。 彼等だけでなく、帝都の役人も政治家も同じように。 逆の立場なら、私も同じようにするもの。 でも、こういう土地にしたのはあいつらなのにね。 私達のふるさと福の多い島を、腐苦死魔にしたのは」
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