第1章

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駅まで送ってもらった俺は、お婆さんの住所を教えてもらってから、新幹線に乗った。 家に帰ったら、お礼の手紙を書こう。 そう言えば、店に来てくれた娘さんの名刺もあったはず。 そちらは、住所が県庁になっていたが、そちらにも書いておいた方がいいだろうか。 夜遅く自宅につき、明かりをつけて荷物を置き着替えようとした途端。 『泉実!もう二度とあそこに行っちゃダメだから!』 「ウ、ウカさん?」 急にお守りから声が響いた。 かなりの音量だったので、びっくりした。 もしかして、外にいたから話しかけられずに、俺が家に着くまでずっと待っていたんだろうか。 『おまえ、とんでもない人間と会うたな!』 「タカさんも!?」 それって、あのお婆さんのことだろうか。 珍しい仕事に就いている人らしかったけれど、俺には優しかったんだが。
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