七月十八日正午

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 終業式の後。案の定、僕の誘いに彼女は頬を染めてのった。なんだ、やっぱり脈ありじゃないか。ぼっちから彼女もちに転身なんて、一年でガラッと変わるものだな。まあ、まだ彼女になると決まったわけではないが。  次の日、七月十九日、正午。僕は待ち合わせの公園でベンチに座っていた。約束は午後一時だが、はやる気持ちが一時間も早く僕を待ち合わせ場所へ向かわせた。  これって、デートになるのかな。だってそうだよな、女子と二人きりで水族館に行くんだもんな。  顔がにやつくのをこらえながら、飽きもせず時計台を見つめていた。
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