七月十八日正午

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 十二時十五分。柚元、どんな服着てくるのかな。  十二時半。帰る間際に告白とかできればベストだよな。  十二時四十五分。もうすぐだ。もうすぐ始まるんだ。  一時。そろそろだな。  一時十五分。……ちょっと遅れてんのかな。  一時半。時間……合ってるよな?  一時四十五分、二時、二時半、三時…………。  僕は日が暮れるまで、時計台と公園の入口との間で視線を往復させていた。けれど、彼女が現れることはなかった。  携帯電話にかけてみたりもしたが、三回とも応答なし。家にかけてもだめだった。  頭の中を占めていた彼女の笑顔に、ひびが入った。
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