七月十八日正午

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 あれから、柚元は僕に近づかないどころか、目も合わせなくなった。まるで、初めて話をした日より前に時間が戻ったみたいに。皮肉にも、そう感じた。  まわりのやつらは相変わらず僕に寄ってくる。けれど、僕が望んだことは叶わなかった。 意味ないじゃないか、これじゃ!くそっ、何がいけなかったんだよ!何でこうなったんだよ!  一学期の間は甘酸っぱい色にあふれていた景色が、二学期は灰色に見えた。クラスメイトが話しかけてくるのが、最初はいい気分だったのに、今はうっとおしくさえ感じる。  柚元の心を掴めなかったこんな右手…もう意味ないだろ。役立たずが、役立たずが…。  手首を掴んで呪っていた僕の肩を、ちょんちょんとつつく者がいた。振り向くと、後ろの席のやつがテスト用紙を回してきていた。  ああ、テストの時間終わったのか。難しすぎて考えるのを放棄していた。だからこんな時まで物思いにふけってしまってたのか。  僕は手渡されたテスト用紙を見た。ちぇっ、後ろのやつ、全部答え埋まってやがる。おもしろくない。  ……そうだ。  僕はその答案に、そっと右手で触れた。
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