七月十八日正午

15/24
前へ
/24ページ
次へ
「あれ?」  返ってきたテスト用紙を見て、後ろのやつが頭をかいて首を傾げている。そりゃそうだろうな。書いたはずの答案が消えてるんだから。僕のテスト結果も良いものじゃなかったが、他のやつも道連れにできるのは気味がいい。心の中でくつくつと笑いながら、僕は席を立った。  この前五百円貸したやつの元へ歩み寄る。 「なあ、この前の五百円…」 「あ、そうそう、この休み時間に返そうと思ってたんだった。はい、ありがとな」  僕は彼から五百円玉を受け取った。  と、そこで、僕はそいつの頭に右手で触れた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加