七月十八日正午
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後ろ手に持っていたものを、僕に見せる。持ち運び式の小さな鉛筆削りだ。 「鉛筆が差し込めなくなっちゃったの。詰まってるのかなぁ……。たたいたりしてみたんだけどだめで……」 「貸してみて」 僕はさして迷うこともなく右手を差し出した。彼女はそろそろと僕の手の上に鉛筆削りを置く。 「紙谷君なら、またシャーペンの時みたいに直せるかな、って……」 「ああ、まかせて」
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