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僕の言葉に、彼女は顔を輝かせた。
「ありがとう!あ、急がないから、暇な時でいいよ!」
「大丈夫。今すぐ直せるから」
僕は手にした鉛筆削りを、軽くこつんと机にぶつけた。そして手品でも見ているかのような顔の彼女の前で、自分の鉛筆を穴に差し込む。
しょりしょり……。
小気味いい音とともに、茶色い木の皮みたいなくずと黒い炭素のかすがこぼれおちた。
「す……すっごーい!直っちゃったの!?」
「中の刃がゆがんでたんじゃないかな。もう使えるよ」
「ありがとう!紙谷君に頼んで本当によかった!」
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