七月十八日正午

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 彼女は僕から鉛筆削りを受け取ると、笑顔で手を振りながら、ウサギのように自分の席へ駆けて行った。  一つ息をつき、再びチョコレートにありつこうとした時、今度は男子生徒の声が僕を呼んだ。 「紙谷、昨日連れてきた俺のハムスターさ、すっかりよくなったんだよ!お前超能力とか持ってんの?前も藤野(ふじの)の火傷治したって話あるし!」 「まあ、ちょっとパームヒーリングの心得があるかな」 「すっげー!今度教えてくれよ!」 「教えられるものじゃないからな」  ケチー、と毒づきながらも、男子生徒は嬉しそうに去っていった。
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