七月十八日正午

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 僕はひらっと手を振ると、手元に視線を落とした。  ――直してるわけでも、治してるわけでもないんだけどな。  チョコレートは残りわずかだ。買ってくるのもめんどくさい。  僕はまわりをはばかりながら、そっと念を込めた右手でチョコレートに触れた。  瞬きする間に新品同然の姿になったチョコレートを、再びかじった。  数分前と同じように。
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