七月十八日正午

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 外科医、ゲーマー、その他さまざまな分野で、「神の手」と呼ばれる存在がいるが、僕ほどその名が似合うものはいないだろう。  僕の手に不思議な力が宿ったのは、高一の時だ。その時もたまたまチョコレートをかじっていた。もうちょっとでなくなるという時に、物足りなさから「原型に戻ってくれたらな」なんて思いながら右手で歯型をなぞったら、かじったことがなかったことになったかのように元の形に戻っていたのだ。  その後、いろいろ試した結果、どうやら僕の右手は触れたものの時間を巻き戻すことができるようになったらしいということがわかった。
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