第1章

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深々と積もる雪の音はこの静けさをさらなる静寂に誘う。ストーブの上のやかんからは程よい蒸気がゆらいでいて。こたつの向かいには同じく本を読む人。 A 「ねぇ、そろそろ私の気持ち、分かってくれてもいいんじゃない?」 B 「えっ?」 A 「ねぇ、そろそろ…」 B 「あ、うんうん、あの…僕もちゃんと言おうと思ってたんだけど」 A 「今のこの本の一文よ。」 B 「え…(照)(汗)」 A 「(笑)」 B 「僕は、…本気だよ。」 A 「え……あの、」 B 「今のこの本の一文だよ。」 A 「え…(照)(汗)」 B 「(笑)」 彼と彼女の攻防は冬休み中続いた。 end
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