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4月の心地よい朝の陽気、睡眠にはこれ以上ない快適な環境だ。
今日は幸いな事に日曜日なので時間を気にせず惰眠を貪る事ができる。
俺は時計がまもなく12時を指そうとしている中未だにベッドの中から動き出せなかった。
ベッドの中は自信が発している熱を不快にならない程度溜め込んでおりまさに天国のような環境となっている。
某大御所のゲームに出てくる銀髪で長髪でやたらめったら長い日本刀をもっているソルジャーclassファーストさんの言葉を使うならばまさにここが『約束の地』であろう。
「うーんまさにヘブン状態……」
だが、平和な時間と言うのは長く続かないもの。
「兄さん、まだ寝てるんですか?」
唯一無二の妹、《西住美幸》が部屋に入ってきた。
「もういい加減起きないとダメですよ兄さん。ほら起きて下さい!」
「えー、あと五分……」
「鉄板のネタは止めてください。」
「あと5日……」
「そんなに寝ないで下さい!」
「あと10万年…」
「閣下二世になるつもりですか!?」
これが妹とのいつものやり取りである。
「もう、明日から学校ですよ?ちゃんと起きれるんですか?」
「大丈夫だ。問題だ。」
僕はキメ顔でそう言った。
「ネタを連チャンで挟むのやめてもらって良いですか?あとそれは結局大丈夫なのか大丈夫じゃないのかどっちですか?」
美幸は少し笑いながら言った。重度のお兄さん好き、いわゆるブラコンの美幸はこうやって兄と会話をするのが何より好きらしい。
「ハイハイ、ならそろそろ起きますよ……あー、腰が痛い。」
よっこらせっとベッドから体を起こしてみるとずっと寝てたこともあって腰が痛い。
「ご飯出来てますから早く食べに来て下さいね兄さん。」
そう言って美幸は部屋を出ていった。
「明日から高校生か……」
そうポツリ呟いて幸村は寝すぎて痛い頭と腰を押さえながら部屋を出ていった。
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