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「ぁ…ンぁっ、ゃあ、…、ぃぶきぃ…んッ、…」
しっとりと濡れた肌に、優しくキスを落とす愛しい人の名を呼びながら瑠璃はそっと目線を上に上げた。
冷たい目をした、その人は、瑠璃を見下ろし柔らかい黒髪を愛しそうに撫でた。
「…、瑠璃……、気持ちいい…?」
瑠璃は、冷たい体温に心地良さそうに濡れた睫毛を伏せた。
「……、気持ちいぃ…、」
先ほどより、遅くゆるゆると動かされる腰に、ほっと息をついた。
体力は比較的、少ない方だ。
こういった行為を、積極的にしたがる訳でもない。
性にも淡泊な瑠璃がこんな風になるのは、伊吹だけだ。
簡単に相性がいいと言ってしまえば、そうなのだろう。
だがそれだけではない。
瑠璃と伊吹は真っ赤な糸で結ばれた。
運命の人なのだ。
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