第1章

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雨音:「…好きだよ…」 あの日、言えなかった言葉。 雨音:「私も、っ好きだよ!!…大好きだったよっ…」 これが私の最初で最後の告白だよ。 届いて。 さよなら。 「雨音、…ありがとう…」 --俺も、大好きだ-- そんな囁きが最後に、聞こえた気がした。 ーーー この出来事を皆に話すと、皆苦しそうな表情をして、私にどうして儀式に至ったかを教えてくれた。 彼が死んで直ぐ、私は鬱になってしまったようで、見かねた皆が私の為に色々調べてくれたらしい。 その際、甦りの儀式の記載を見つけてしまったそうだ。 私が皆を好きなように、皆も私を好いてくれたと言うこと。 故にこんな結果になった訳だが、私は不謹慎だがちょっと嬉しかった。 彼が居たこの世界での事は、儀式を行った皆しか覚えていなかった。 彼は忘れ去られるでもなく、存在自体が消されてしまった様だった。 ーーー 決して忘れないかけがえのない大好きな友達だった人。 忘れてはいけない私達の過ち。 忘れないよ、絶対に。 だって私は皆のことが大好きだから。 貴方の事が大好きだから。 だから、私は会いに行く。 また貴方が笑うあの時へ。 何度だって繰り返す日々を送るよ。 大好きだって伝えに行くから。 fin.
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