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Sculptor
単調に進む純銀の針が
語り出す真夜中の暗色
誰かの隣に花を落として
星明かりに懺悔を投げる
澄ました白い胸像達が
服の皺まで気にしだす頃
絵画が嘯く淡い景色より
猜疑的な兎が問い掛ける
気難しい小刀の象る物が
本物に勝る事などあろうか
無言の問いに背を射られても
老いた手は只管に彫るのみ
石膏の像は冷たくとも美しいが
偽りで固めた温もりは浅ましい
夜空を仰ぐ老人の杖に
ぼんやり灯る月の白薔薇
過ぎし時は密やかに囀り
硝子張りの部屋で形を成す
彫刻家のアトリエに
枯れない薔薇園は生まれたか
※Sculptor＝彫刻室座
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