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白の箒
朝焼けが薄れる頃に
流れ去った白の箒
雲間を縫う陽は地表に注ぎ
大地の色を甦らせる
地平の彼方へ走る大河を
ゆるりと下る古びた帆船
回る水車が生む飛沫にも
小さな虹の妖精は住まう
今日を祝う歌に言葉に
昨日の哀しみも一時預けて
咲き誇る生命を慈しむのも
誰が罪に問えるだろう
舞い散る灰も星へと還り
陽射しの中で淡く煌めく
膨大な時を宇宙に捧げ
旅を終える白の箒
疲れた足を引き摺ろうとも
命ある者に光は微笑む
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