戯れDaydream

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戯れDaydream

氷の溶けた白いグラスに 落ちるマーブル模様の太陽 花を飾る鳥籠の傍では 陶器の栗鼠が愛想を添える スプーンで掬う透明な海を 珊瑚の砂漠に還したら カメラのレンズも色硝子にして 綺麗で滑稽な七色の世界 迷い込んだ舞踏会では 破綻の輪舞が繰り返される 合成樹脂のイミテーションでも 完璧なお辞儀で微笑む淑女 冷ややかな眼の灰色猫が 手繰る企みは切り絵の中 レースの縁取る記憶の園で 糸に掛かった小鳥は喚くのみ 不躾な馬蹄の音が響いたら 黄金の鐘も業火に呑まれる 黒いお城には三日月がお似合いで 全ては幻想なればこそ許される事 溶けた氷も綺麗に飲み干し 揺らめく葉影に伸ばす爪先 雨ならばまだ要らないわ 木漏れ日の夢で戯(オド)けていましょう
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