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「真白（ましろ）は？好きな人できた？」
「ううん、まだ。できたら私の恋バナも聞いてね」
もっちろーん、とノリよく返事をしてくれた友達を上手くかわして、ホッとするんだ。
高校３年の冬。
好きな人はいないと言い続けて３年目。
周りの受験ムードに便乗している私だって、本当は好きな人がいる。
たったひとり、ずっと好きな人がいる。
「あ、親から連絡来た。そろそろ帰って来なさいだって」
「うちも。暗くなる前に帰ろうっか」
会計の伝票を持って、自分の分だけ払う。後ろに並んだ他校のカレカノは、彼氏がおごってくれるらしい。
出さなくていいよ、って言われてみたい。ごちそうさまって、満面の笑顔で言いながら、腕を絡めてみたい。
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