12月13日 晴れ

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 逃げ込んだマフラーの中は、自分の温もりしかない。  知りたくなかったな。見たくもなかったよ。 「お待たせ」  って、触りのいい声色まで想像させる微笑みは、悔しいけどカッコよかった。  あれだけ美形だったら、彼女がいる。  それが、女子生徒の間で出た結果だ。私たちより1年早く赴任してきていた先生は、入学した私たちの関心を引いたけれど、すぐに諦めがつくほど魅力的だ。  だけど、私は一瞬でとりこになっていた。  無謀だと分かっている片想いは、あの日から始まったんだ。  彼女さんの顔なんて、知らなくて良かったのに。
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