第1章

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 言語とは関係ないのか、外人さんの日本語が、堪能なのか。  女グループに嫌悪を見せて、離れて座った。  感度が上がって来た気がする。  のぞきでは無いけど、つい、聞き耳立ててしまう事もあり。  神経を集中する機会が増えると、感度が上がっていく気がする。  自分の好奇心とは云え、それは、それで、気が滅入る。  帰り道、占い師に寄ってみた。  この状態で平常心を保つヒントは、無いものか。  と、この自称、霊感占い師は、インチキだ。  逆に考えている事を、全て言い当てたら、料金は要らないと云った。  その占いを出た所で、ふと、実際に声を掛けられたのか、誰かの心なのか、呼ばれた気がした。  (こちらに、寄っておいきなさい。)  聞こえはするけど、場所が判らない。  見渡すと、ちょっと奥まった処に、占いの看板があった。  その店の前まで行くと、複数居る様な気がした。  お客が居るのかなと思ったら、また聞こえた。  (お入りなさい)  女の占い師、一人だけだった。  がっ!  この人は、本物の霊媒師。  さっき読み取れたのは、この人が呼んだ、霊の心だ。  怖いのを堪えて、何とか相談してみたけど、やはり、霊感の類とは、違うらしい。  「あなたの後ろに付いてる人は、何か困っているとだけ、伝えてくるのよ。」  めまいがした。  何の解決にも繋がらないまま、感度が上がって来た処に、霊能者と接触して、霊の心まで、読める様になってしまった。  私の後ろに居る人は、心配する心だけが残っている、誰からしい。  ちょっと、ガッカリして、帰宅した。  自殺者程ではないが、次に思いが強いのが、犯罪者だ。  生活苦からの切ないのから、面白がってるだけの、最低なヤツまで、この手の物は、近い場所からが多くて、これはこれで怖い。  被害者の心が突発的発生して、飛び込んでくる。  飛び込んでくる、心の混沌に、息抜きがしたくなった。  郊外にある、展望台と呼ぶには、ささやかだが、気晴らしには充分な、見晴らしの良い処に行ってみた。  しまった。  三日月が夕日から現れ出した夕方、流れ星と共に、ワケがわからない、何かの心の様なものが、飛び込んできた。  いつもと違ったのは、その心の相手とは、交信出来てしまった。  こちらが考えた事に、答えらしきものが、戻って来て、じわじわと、意思の疎通が潤滑になってくる。
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