金髪の吸血鬼

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「はぁ、危険はなさそうだな。それにしても、本当に吸血鬼なのかよ?」 グレイはそのまま女と屋根の上をスタスタと歩いていた。 ギルドへと、スカーレットのもとへ向かおうと。 「うむ。しかし、やはり、儂のことも忘れておるようじゃの。」 「ああ、さっぱり覚えてねぇな。ただ、金髪美人が記憶の欠片に残ってる。それがたぶんあんただな。てか、本当に吸血鬼なんだな。太陽にさらされてっけど大丈夫なのか?」 「まぁ、儂程の者にもなれば太陽の下へ出たところで焼け死ぬなんてことはないが、やはり苦手じゃ。」 「へー。まぁ、大丈夫ならいいか。で、名前教えてくれよ?いつまでもあんたってのも嫌だしな。」 「ティアラ=ハート=ショットブレードじゃ。」 「ティアラな。俺はグレイ=H=S。よろしくな。」 そこで急にティアが立ち止まる。 「H=S??お主……………名まで忘れたわけではあるまい。お主は………」 ティアラがグレイの名を言おうとした時に鋭い殺気を向けられ、2人は殺気を感じた方へと視線を移動した。 「へいへい。ティアラ。お前、何やらかしたんだ?」 「バカを言え。やらかしたのはお主じゃろう?」 そう言って身構える2人の前にショットガンを二丁背負った男と大きな十字架の刀を担いだ男が現れる。 「そこの金髪の女、大人しくしてもらうぞ。」 「ついでに、グレイ=H=S。てめぇにも来てもらうぜ。部下が世話になったようだし…………な!?」 「お決まりのセリフを長々と言うな、聞く身にもなれよ。お前らみたいなのはそういうのを毎回言わないといけない決まりでもあんのか。」 グレイは話しの途中で十字架の刀を担いだ男の方に切りかかって、それを受け止められるやすぐに左手で持ったマグナムの引き金を引き男の腹へ弾をぶち込んだ。
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