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「のぅ?お前様よ。頭を洗ってくれぬかの?」
「あ?別にいいけど?てか、そのお前様ってのなんなんだよ?」
着替えるのにティアラがいたので多少手間取ったがやっとバスルームへ入り、とりあえず風呂のイスにティアラを座らせ、ティアラの後ろの方に立つグレイ。
そのグレイがシャンプーを手に取りティアラの頭を洗い始める。
そして、今更な疑問をぶつけた。
「うむ、まぁ、なんとなくじゃなんとなく。儂はグレイのことは我が主様とか従僕とか、お前様と呼んでいた……………のは昔の話じゃな。」
「昔の話ねぇー…………」
ほんっとに、ティアラは俺にとって何だったんだろうなー。
逆にティアラにとって俺はどういう存在なんだろうか。
それも思い出さないといけないか。
「して、我が主様よ。なんと呼んで欲しいのじゃ??」
「あー………別に、ティアラの好きなように呼べよ。」
「ふむ。なら我が主様でも、お前様でも問題ないの。」
そこで話は一旦終わり、グレイは無言でティアラの綺麗な金色の髪を洗っていく。
「よし、身体はちゃんと自分で洗えよ?」
「なんじゃ、洗ってくれぬのか?つまらんのぅ。」
「バカか!お前!身体洗うってなったらその!あれだ!!いろいろと問題あるだろ!てか、大人だろうが!自分でやれ!」
意地悪な笑みを浮かべる目の前のティアラに向かって指を指す。
グレイは焦ってあたふたしながらも顔を真っ赤にしていた。
全く、我が主様は相変わらずの戦闘バカでウブってところかの。
あやつのおかげで少しは慣れたかと思うたが、まぁ、あやつは男みたいな性格じゃからのぅ。
………あやつの気持ちも分からなくはないがやはり多少の嫉妬はするのぅ。
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