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破邪の御太刀は“亜人”と呼ばれる、動物に近い人間や普通でない生き物達。例えば、狼人間などだが、そう言った者、また、化け物………こちらはティアラのように、吸血鬼など、亜人の中でも、稀な存在や神に近しい存在、霊などに取り憑かれている者のこと。
つまり、人ならざる者の事である。
そういった相手に対して有効な刀。
亜人が持つその力の源となるものを引き離せることができ、殺すのが容易くなるそうだ。
また、それぞれ利かない武器や物があるのだがそんなものも関係ないそうだ。
例えば、水を司っている亜人なんかでも、刀じゃ水は切れないが、破邪の御太刀では切ることができるそうだ。
「はっはー。そりゃあまた便利な刀だな。最高じゃねぇか。」
「カカッ!当たり前じゃ!代々儂ら吸血鬼にしか扱えぬ物じゃぞ?」
大層自慢気にティアラはそう言った。
「そういえば、お前家族とかっていんのか?」
ティアラの“代々儂ら吸血鬼”という言葉に疑問を持ったグレイは率直に質問をした。
大体、純粋な吸血鬼なんて未だに存在していること自体が不思議だ。
それに家族なんているのかと。
吸血鬼は血を吸って、契約を交わし、眷族を作ることはあるが、純粋な家族となると………。
「おらぬ。儂はずっと昔から1人じゃ。もう何時からこの世界に存在していたのこ分からなくなるほどのぅ。まぁ、年数だけは記憶しておるがの。」
「そうか……。なら、俺と同じだな。どこで生まれたかもわからねぇし親もわからねぇ。記憶を取り戻してもそれは多分覚えてないだろうな。」
「カカッ!全く同じじゃの?命の長さ以外は。」
そういえば、吸血鬼は余命なんてものないんだっけか?
「まぁでも、吸血鬼は吸血鬼でもいろんな者がおったのぅ。再生能力が低い者、具現化能力が使えぬ者、血を吸っても長生きできない者。様々じゃ。その中でも儂は特別上位な存在………いや、多分トップじゃな。生きてる年数、再生能力の速さ、具現化能力の質の高さ等の。まぁ、一番はこの破邪の御太刀を扱えることかの?破邪の御太刀は選ばれた者にしか扱えぬ。」
「はっ。そりゃあ、また大変じゃねぇか。つーかよ、そんな長生きしてて死にたくなったりしたことねぇのか?つまらなくなるだろ?再生能力もあって死ねないなんてよ?」
グレイの言葉にティアラは少し顔を暗くして、紅茶のカップをテーブルに置いてからグレイに向き直った。
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