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「おい!なんなんだよ!?てめーは!」
スカーレット達のギルドがある都市西方(オリエント)を出て1日が経過しようとしていた。
「じゃから、夜は冷えるじゃろ?添い寝じゃ添い寝。」
森に入る手前の草原で今晩は休むことにした。
そしてスカーレットから渡された物の中に入っていた寝袋を2つ出してティアラにも渡したのだが…………とてもスタイルのいい身体をティアラはグレイに押し付け寝ようとする。
寝袋に入ってはいるのだが、それでもグレイは女慣れしてないため気が気でなく寝付けない様子だ。
「オーケー。そんなに寒いならてめぇをその火の中にぶち込んでやる。」
「お前様よ。そんなことをしてどうなるか分かっておるのか?」
言葉と共に爪を伸ばし、グレイの喉元に突きつけた。
「いてぇ。刺さってる。」
両手を上げたグレイはすでに少し刺さっていてちょっとだけ血が出ていた。
「オーケーオーケー。我慢してやる。どうせ寝れないだろうしな。」
「待て、お前様よ。見張りなら要らぬ。こやつに任せよ。」
グレイの寝れない発言に、敵となるものが来たときのためとすぐに理解したティアラは右手を寝袋からだし、手のひらを前に突き出した。
すると、ティアラそっくりの土人形が空間から姿を現したのだ。
「おーいおい、なんでもありかてめぇは。」
「こやつは人形じゃ。儂と同等の察知能力を持っているだけで、立ったままじゃがの。」
見るとそのティアラそっくりの人形は微動だにしない。
便利すぎんだろ。
本当になんなんだよ、ティアラの能力は尋常じゃねぇ。
亜人ってことを含めても現代の常識を遥かに超えてやがる。
これが亜人の領域を超えた本当の化物や神といった存在か。
「まぁ、楽できんならいい。じゃあ明日は森を抜けねえと行けねえからさっさと寝るぞ。」
ティアラに対しての謎や関心が深まるばかりだが、今夜は明日のためにゆっくりと休むことにした2人だった。
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