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「へいへい、ティアラの知り合いだかなんだかしらねぇが、おしゃべりしたいならその殺気をしまいやがれ!この、鎧野郎!!」
グレイは言い終えると同時に地を蹴り、飛ぶように一歩で武者との間合いを詰めた。
そして、マグナムをゼロ距離で数発腹に打ち込み、武者の腕を掴むとそのまま投げ飛ばした。
それにより、武者の胴の部分の鎧が三分の一ほどくだけ、武者は木に叩きつけられた。
「おいおい、どういうことだこりぁ?手応えがおかしいと思ったが、あいつ……………中身がねぇ。」
ティアラもグレイの言葉に目を見開き、グレイのマグナムで砕け、中身が見えるはずのそこを見る。
しかし、身体が入っているはずのそこは、反対側の背中の方の鎧が見えるだけだった。
「儂にも分からぬ。ただ…………こやつは危険過ぎる。ここは退くのが利口じゃ。」
「ククッ!何を言っているんだい?ショットブレイド。またの名を“鮮血の金色”。君ともあろうものが逃げ出すのかい?それとも、久々に会えたそこの記憶を失っている白銀に過去を知られるのが嫌なのかい?」
こやつもしや…………。
「お前様よ!ここは一旦退くぞ!!」
「はっ!バカ言うなよ!!お前だけ退け!俺はこいつと殺し合う。そうしなきゃいけない気がするから………な!」
ティアラの言葉を無視し、グレイはマグナムを両手に持った。
そして、武者に向けて両方のマグナムで計10発打ち込み、すぐに右のマグナムをしまうと、白銀の刀を背から抜き、ゆっくりと間合いを詰めていく。
武者はグレイからマグナムを数発くらったため、少しよろめきながらも、真っ直ぐ立とうとする。
「白銀…………貴様、いつの間に銀弾へすり替えた。昔はそんなことできなかっただろう??」
「一つ言うぜ。お前が俺の何を知ってるかしらねぇが。俺の邪魔になるならぶっ殺す。その武者が本体じゃねぇのは分かった。本当は本体をぶっ殺してやりてぇが………それはまた今度だ。」
それまで言うとグレイは白銀の刀を振り下ろし、武者を真っ二つに切った。
武者の甲冑も当然真っ二つになったが、液体のようなものが中から溢れだし、グレイが眼帯をしている左目をそれが何か分からない攻撃をし、グレイの左目をかすめ眼帯を外した。
チィ、この状態で攻撃してくんのかよ。
つーか、気貼り過ぎたせいでちぃとばかし古傷が開いたな。
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