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「相変わらずめんどくせぇな!この森は!」
森を進むに連れて亜人に出くわすことが増え、2人は相手どりながら集落へと歩を進めていた。
「お前様よ!本当にこんな森の中に集落が存在するのじゃろうな!?」
「ああ、あそこは大丈夫だ………っと!」
現在、トカゲの亜人と戦闘中である。
ちょこまかと動くため少し手間取っているようだ。
グレイは右手に白銀の刀と左手に中折れ式のリボルバーマグナムを持ち、襲ってくる奴を刀で、遠くで動きながら隙をうかがっている奴はマグナムで的確に撃ち倒していた。
ティアラはグレイに背を預けながら、二メートルオーバーの刀、“破邪の御太刀”でその長さも生かしながら、無駄な動きなく倒していく。
「つーか、こんなに大量にいなかったし、ここまで気性が荒い奴らじゃなかったんだけどな。」
ほとんど倒し終え、相手が退いていくのを確認し、グレイが武器をしまいながらそう呟いた。
「昨日のあやつと関係しておるかもしれぬのぅ。」
あいつか。
あの不気味な鎧野郎…………次会ったらぶっ放してやる。
そう思い、歩を進めようとした時に、えらく遠いところから銃弾が飛んできた。
グレイはそれを易々とかわす。
「はぁー。相変わらずな挨拶だぜ。まったく。あの筋肉バカにまた言っておかねえとな。」
「なんじゃ?まったく敵意を感じなかったのじゃが、知り合いか?」
「ああ、知り合いだ。たまたまここら辺に居て俺らを見つけたから“挨拶”してきたみたいだぜ。」
ティアラにそう告げると銃弾が飛んできた方向へと足を動かした。
しばらく歩くと、木にもたれかかって待っていたぞと言わんばかりの態度で黒髪を頭の後ろで1つに結んだ可愛らしい感じの女がいた。
肩にライフルを担いで、腰に短剣を携えながら。
「よぅ、相変わらずのクソガキっぷりだな。リザ。」
グレイにリザと呼ばれたその女は木から背を離してグレイに背を向けて歩き出した。
「ああでもしないとグレイは逆に気持ち悪がるでしょ?それに、お父さんから言われてるんだもん。グレイが来たときには必ず一発ぶっ放せって。」
「あの筋肉バカ、後で切り刻む。」
2人の会話を黙って聞きながら、ティアラも2人について行く。
そして3人の前に、木の丸太で作られた塀に囲まれていて、周りが堀になっている場所が現れる。
唯一のそこの入り口であろう場所の前で立ち止まる。
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