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「てぇー。いきなりかよ。」
「なんだ?またグレイがリロイとやり合ってんのか?」
投げ飛ばされ、外へと出るとギルドメンバー何人かが口々にそんなことを言ってグレイの方を見ている。
そして、ギルドの入り口からカツカツと足音を立てながら、紅髪の女性。
“リロイ=スカーレット”が出てきた。
「さて、今日はどういたぶってやろうか?」
「はっ!いたぶられんのはスカーレット!てめぇだよ!」
言い終わると同時に白銀の刀を右手に。
左手にマグナムを持ち、マグナムをスカーレットに放つ。
「全く。仕方のないやつめ。」
スカーレットはそう言うと、グレイの放ったマグナムをヒラリと難なく交わし、空間から赤と黒を基調とした色の刀を取り出した。
「へいへい。余裕ぶっこいてんなよ!」
グレイは弾丸をよけられるのは当たり前と思っていたらしく、スカーレットが刀を取り出した時には白銀の刀をスカーレットに向けて振り下ろしていた。
「ふぅ…………遅い!!」
「残念。」
スカーレットがグレイの刀を弾いて追撃をしようとしたが、既にスカーレットの頭にはマグナムの銃口が向けられていた。
「はっはー!今日は俺の勝ちだ………な?」
そう言うグレイはそのまま倒れ込む。
そして、スカーレットはニヤリとグレイを見下す。
「そう勝負を焦るなよ。いたぶれなくなるだろう。それに、まだまだ甘い。まぁ、お互い殺す気はないのだから仕方ないのかもな。だが、死なない程度に留めればいい話しだ。」
スカーレットが言い終わる時にはグレイの身体から多量ではないがそれなりの血が流れていた。
見ると浅いが、刀傷が10数ヶ所ついている。
周りからしてみればいつ切られたのか分からないだろうがグレイは気づいていた。
マグナムの銃口をスカーレットの頭に突きつけたと同時に切られた。
とてつもない速さで。
というのも、リロイ=スカーレットは王国1の剣速を誇る人物だ。
そこら辺の奴らならば切られたことにも気づかずに殺されるだろう。
時は少し経ち、場所はギルド内の書斎へと戻る。
先程同様、机を挟んで向かい合う形で座るスカーレットとグレイ。
「あー、また負けたな。相変わらず化け物じみてやがる。」
「フッ。お互い様だろうに。とは言っても、私に勝つにはまだ早い。にしても、お前も空間能力を使えばどうだ?空間能力でなくても空間圧縮ケースくらい持てばどうだ?持ち運べる物も増えるぞ?」
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