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「それにしても、人探しでSSクラスね~。なんか匂うな。」
「まぁ、私も詳しいことは知らないが、その“人”というのが人でない可能性が高くなってな。依頼のランクが上がって今やSSクラスだ。ちなみにだが、明日にはSSSクラスに引き上げるかどうか話し合いがあるみたいだぞ。」
スカーレットはにやつきながらさらっとそんなことを言う。
それに対しグレイは特に反応を見せるわけでもなく、へーくらいしか言葉を発さなかった。
スカーレットの奴なんか企んでんのか?
それか何か隠してるか。
まぁ、今はいい。
「で、この金髪の美女が何で俺の旅の機会になるか教えて欲しいな。」
「いや、何。その金髪の女、“亜人”の中でも本当に化け物の可能性が高い。それも、古代種。吸血鬼の可能性がだ。」
「おいおい、答えになってねぇよ。」
「お前の記憶、取り戻せるかもしれんぞ?古代種自体が希少だが、中でも吸血鬼なんて既に伝説。そして、その吸血鬼には具現化能力がある可能性も浮上したうえ、お前の失った記憶の欠片には金髪の女がいるのだろう?何か関係しているならばそれで良し。関係してなくても、お前の失った部分の記憶を読み取ってもらって具現化してもらえばいいのではないか??」
言ってることは分かるが、話しがぶっ飛んでやがる。
まぁ、確かに金髪の女が俺の記憶の鍵ではあるし、十分興味は湧いたが。
「まぁ、行き当たりばったりでやってみるか。それで、この女が今どこら辺にいるのか目星ついてんのか??」
「やられた人間の経路を辿るとどうやらここに向かっているらしい。取りあえず依頼では、危険性があると見て殺すこと前提だな。まぁ、会ってお前が判断しろ。この依頼……………私も仕組まれてるように思えてならんからな。」
やられた人間というのは女が目撃されたあとには干からびたように死んでいる人間のことで、干からびて死んでいるというのも、血を吸われたようなのだ。
それで、吸血鬼の可能性が上がった。
まぁ、吸血鬼だろうが何だろうが、俺もこの依頼は怪しいし、スカーレットが仕組まれてると予想するならほぼほぼ仕組まれていて間違いないだろう。
スカーレットの予想は当たる。
それに、多額の金を渡して依頼主不明なんておかしすぎる。
あからさまだがな。
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