金髪の吸血鬼

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「さて、武器は揃えたし、そろそろか。」 武器屋を出たグレイはさっき買った弾薬を普段から身に付けているホルダーに仕舞った。 やっぱり圧縮空間ケースくらいは持つか? 旅に出ることになりそうだしな。 ………ついでに買いに行くか。 そう思い次にグレイは圧縮空間ケースを買うため別な店へと向かいそこで圧縮空間ケースを購入した。 店から出たグレイは街人の声を聞き立ち止まる。 「おいおい、やけに美人な金髪の姉ちゃんが屋根の上歩いてんぞ?」 「おー、本当だ。おーい!姉ちゃんあぶねぇぞー!」 街中の人たちの視線がその声によって金髪美女が居るであろう屋根の上へと集まる。 そして、その集まった視線の中にはグレイの視線も。 「あの女!!」 スカーレットから頼まれた依頼の女だった。 金髪の長い髪をなびかせ凛々しく屋根の上を歩いていた。 すぐにグレイはジャンプし壁を蹴って屋根の上へと降りる。 そして、金髪の女と対面する。 グレイの蒼い目と女の紅い目がお互いを見る。 「ん?お主…………………カカッ!!いつぞやの!」 金髪の女は腰くらいまであるとても長い髪をなびかせながら、グレイを知った風な口をきく。 スカーレットの思ってた通り、グレイとこの金髪の女は関係があったようだ。 「お前、何者なんだ?」 「ああ、お主。記憶を失っておるのだろう?しかし、なぜじゃ?まぁよい。だが、儂のことまで忘れておるとは………………悲しい限りじゃ。いや、儂の事を忘れさせられたのかのぅ。」 金髪の女はグレイの言葉に対し、まじまじとグレイを見ると寂しげに話した。 「何で記憶のことが分かった?」 グレイは一応すぐに刀と銃を抜けるように構えたまま話す。 「カカッ!!簡単なことじゃ。儂ともなればそのくらい、人を見れば分かる。して、儂を見てどう思った?構える必要もなかろうに。」 そう。 グレイはこの女から全くと言って良いほど敵意を感じなかった。 血の匂いはするが、人を殺してきたかも判断できない。 つまり、グレイにとって、依頼通り殺すべきではないと判断した。 念のため構えていただけだ。 グレイは女の言葉でようやく構えを崩した。
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