第1章

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明日、告白しようか… そう考えるのは何度目だろうか 実行出来ないって自分で思い込んでるくせに… 朝ごはんを食べて、いつもの如く悠菜と登校する その頃には夢の事など忘れてしまっていた 「悠菜は彼氏作らねーの?」 悠菜はモテる筈だからすぐ作れそうだと思いながら聞いてみるが 「あたしはしばらくいらないかなー 今は友達と話してる方が楽しいし、あたしが好きにならなきゃ付き合っても仕方ないでしょ?」 ごもっともだ 「まぁな、悠菜はしっかり者だから心配してないけど変なのに捕まんなよ?」 「あはは、あたし空手黒帯だよ? もし変なのにストーカーされても大丈夫だよ」 そう、悠菜は強い 俺と同じく空手を習い、高校生女子で関東1位になるほどだ 「まぁ多人数とか人質とかあるから一概に大丈夫とは言えないけどな」 「悠里マンガ読みすぎ、そんな奴等いないから」 「まぁ用心だけはしとけよ」 そんな会話をしながら歩を進めると、もう目の前に校門が見えてきた 「悠くん、悠ちゃんおっはよー」 校門で手を降りながら大声で叫ぶ声が聞こえて、二人揃ってため息を吐く 「結愛おはよ、目立つから叫ぶのやめてくれって言ってんだろ?」 「結愛さんおはよーです、兄に同じです!」 幼馴染みの登場である いつも通り完璧な美人だ その美人が叫ぶんだから、当然俺達は注目を浴びてしまう 「えー、いつも通りでいいじゃん ほら、皆もいつも通りって思ってすぐ視線逸らしたし」 誰のせいだ 「全く… 天然な美人は恐ろしいぜ」 「悠里、結愛さんは天然っぽいけど実は考えてるよ」 そんなことわかってる 自分が注目を浴びてその自分が叫んで俺達に注目がいくのも知ってる でもいつもやってるからすぐ視線もなくなるってのを知ってるから今でもやり続けてる 計算してるから天然ではないのかもしれない だが無意味に俺達が校門まで辿り着くのを待たずに叫ぶ所を見ると、やはり天然も入ってるのだろう 校舎に入る前に悠菜と別れる 悠菜は別棟だ ちなみに俺達3年は東棟、悠菜は1年だから西棟になる 2年は南棟にあるが南棟は東西どちらから入っても行ける 「じゃあな、また帰り寄るわ」 「悠ちゃん頑張って」 「うん!二人ともまたねー」 悠菜は走って西棟に入っていった 「ねぇ悠くん…」 「ん?なんだ?」 「何か変わった事…あった…?」 「…………………」
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