第11章  別れと予約(続き)

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しかし、それもあっさりと聞き流し、彼は真顔を旧友に向ける。 「少しエロさが、なさ過ぎたか?」 ところがそれに、店長の顔がにわかに怪訝そうに歪み、 慌てたように立花がフォローを入れる。 「あ、あの、実は新商品の隠れコンセプトが『エロチシズム』でして……。 でもそれは、あくまでも隠れたコンセプトだから店には要らないだろう?」 しかし忍は、どこか納得がいかない。 そして、おもむろに真ん中のショウウィンドウの中側に入っていくと、 小さく色めき立つ女性店員を背後に、商品に少しだけ黒い布を被せた。 「悪いけど、誰かテープ持ってきて」
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