第11章  別れと予約(続き)

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それに、どこかウキウキとした女性店員の声が尋ねる。 「セロテープですか?」 だが、その声のほうに、忍は冷ややかな視線を投げた。 「今、僕がやってる事見てて、紙テープが必要だと思う?」 「す、すみません」 慌てた女性店員の声と共に、すぐにメンディングテープが持って来られる。 そして間もなく、ちょうど商品から黒い布が滑り落ちる寸前の形が ウィンドウの中に作られた。 「どうだ?」 売り場側へと出てきた忍が尋ねると、立花は、小さく苦笑しつつ頷く。 「相変わらずだな」
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