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「ちょっと早いが、昼飯を食わないか?」
立花に言われ、忍は、久しぶりの誘いに素直に乗った。
時刻は、11時過ぎ。
この時間なだけに、入った店は、さすがに人の姿はまだほとんどない。
「ここさ、タンシチュウがメチャメチャ美味いんだって」
表参道店の店長に教えてもらったという店で、
立花は、嬉しそうにおしぼりで手を拭く。
「お前って、昔から意外とグルメだよな」
「まぁ、グルメかどうかは別としても、美味い物を食うのは好きだな」
しかし、向かいでイソイソとする友人を見ながらも、
仕事を離れた今、忍の頭に浮かんでくるのは、やっぱり彼女の事。
そして、それはすんなり口を突いていた。
「なぁ、あれから中谷さん、調子どう?」
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