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しかし、こうして一日の仕事が終わり、
那々は、こっちの妙案も思いつかないまま、立花と共にオフィスを後にする。
ところが、色に出にけりとでもいうところか。
「もしかしてさ、どこか具合でも悪い?」
地下鉄に乗って間もなく、隣に立つ立花にちょっと覗きこまれた。
えっ……?
すっかり胸の内を読まれていたかに尋ねられ、
那々は、慌ててかぶりを振り返した。
「いえ、全然」
「そう? でも今日は、なんか元気なかったよね」
思わずドキッと、心臓が縮まった。
そして、急いで取り繕うように少し歪んだ笑みを浮かべ、
頭の中で、必死に言い訳を探し求める。
しかし、
「あの、なんていうか、今日はどんな風におもてなしすべきなのかなぁ、
なんて思ってて……」
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