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だが、こんなあからさまな出まかせも真に受けてくれたのか。
「そんな事、気にしてたの?」
立花は、ホッとしたように笑って請け合ってくれた。
そして、それに少しだけ安堵しかけた途端、
次の彼の言葉に、またしても別の意味で那々の心臓が縮んだ。
「アイツは、もてなしなんか必要ないよ。
中谷さんがいるだけで、もう大満足だから」
普段は飄々としていて、安全牌オーラだだ漏れのこの人の好い上司。
だが時として、ものすごく鋭い爆弾を落としてきたりするのも、またこの人。
そして、まさに今がそれ。
まったく何を嗅ぎ取り、何に気付いているのやら。
だが、それを探るのは、やっぱり飄々とした彼からは無理というもの。
お陰で背筋に、一気に冷や汗が噴き出てきた。
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