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「この前は、ごめん。
あの、全然言葉も足らなかったって反省してる」
だが、恐らくこれは、彼が自分で気付いた事ではないだろう。
たぶん誰かに相談をして、指摘されての結果。
だがそこに、彼の実感が伴っているかは分からない。
しかし那々は、黙って彼の話を聞いていた。
「いきなり、助手になって仕事が減るから結婚してって言われたら
誤解するよね。
俺いつも、なんか肝心な事が上手く言葉にできなくて……。
でも俺が言いたかったのは、そうじゃないんだ。
っていうか、それが全然ないわけじゃないけど、
でも俺は、やっと念願の職に一歩近づけて
もしかしたら大学院にも奨学金で行けるかもってなったから。
だから那々との仲も、前に進みたいっていうかで……」
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