第11章  別れと予約(続き)

6/22

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「つまり、俺のこと好きじゃなくなったってこと?」 「直之っていう人は、今まで通り好きだよ。 でも、なんていうか、 直之に対するときめきは、消えちゃったかなって思う……」 しかし、やや視線を落としてそう言った途端、 向かい側から彼が身を乗り出してきた。 「どうして消えちゃったの? どうしたらそれは、元に戻る?」 視線を戻すと、そこには必死の面持ちの直之がいる。 しかし、もうこの彼の疑問が、決定的に那々の気持ちを決めさせた。 「直之。私たち、7年前から始めた恋には、一度、終止符を打とう?」 「それを打って、新しく始めるってこと?」 那々は、静かにかぶりを振った。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加