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「私たち、ちょっと距離を置こう。
距離を置いて、ただの友達……、
うぅん、ただの大学の同期に戻ってみよう?
それで何かが変われば、またその時に考えない?」
那々……。
呟いた直之の顔が、強張り青ざめていく。
そして、言葉も失くしたらしい彼に、那々は、再びそっと謝った。
「たぶん、プロポーズするのに、沢山、勇気を出してくれたんだと思う。
それで、せっかくしてくれたのに、こんな返事しかできなくて、ごめんね。
でも夢を追う直之は、これからも応援してるよ。
これから、もっともっと夢に近づけるようにって祈ってる」
静かにそう言い終えると、那々はゆっくりと立ち上がった。
そして、もう一度「ごめんね」小さく言うと、そっとその場を後にした。
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