第11章  別れと予約(続き)

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「私たち、ちょっと距離を置こう。 距離を置いて、ただの友達……、 うぅん、ただの大学の同期に戻ってみよう?  それで何かが変われば、またその時に考えない?」 那々……。 呟いた直之の顔が、強張り青ざめていく。 そして、言葉も失くしたらしい彼に、那々は、再びそっと謝った。 「たぶん、プロポーズするのに、沢山、勇気を出してくれたんだと思う。 それで、せっかくしてくれたのに、こんな返事しかできなくて、ごめんね。 でも夢を追う直之は、これからも応援してるよ。 これから、もっともっと夢に近づけるようにって祈ってる」 静かにそう言い終えると、那々はゆっくりと立ち上がった。 そして、もう一度「ごめんね」小さく言うと、そっとその場を後にした。
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