10/18
前へ
/67ページ
次へ
その射抜くような瞳に、ぞくりと背筋が凍る。お前の全てを知っていると言わんばかりに歪んだ口元。 男のただならぬ威圧感に、全身が硬直する。 「、」 人差し指で眼鏡をクイッと上げれば、 『―――――この店の評判をよく耳にするんですよ。』と微笑んだ。 ……肩の力が抜けるような心地がした。 「そ…ういうことですか。」 『隆太くんは色んなとこに顔が知れてるからねぇ』 『ああ、道理で。』 男はまたリムを唇に付けて、蠱惑的に喉仏を揺らしながらジントニックを口に含んだ。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加