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―――と。 『そういえば、望月さん』 そんなときシンさんが話を切り出してきた。 「どうしました?」 『絵里さんが言っていた話、本当なんですか。』 「…絵里さん?」 なんかあの人言ってたっけ、と先ほど繰り広げられていた会話を思い浮かべる。 『望月さんが、男女構わず手出してるって話。』 カウンターに両肘をついて、頬に挑むような笑いが浮かぶ。 「、え」 いきなり話題をぶり返されて、動揺する。グラスを磨く動作が止まった。 『あれって、〝俺も〟って言ったら相手してくれるんですか?望月さん』 …こいつは。 馬鹿にしてんのか。それとも、本気でそう言ってるのか。 その微笑みからは、何も、見出せない。
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